小島さん

ロジカルな分析を基につくる
肉厚なチンゲン菜と
歯ごたえのいいキュウリ 小島さん

クセがなくて食べやすく
シャリ感のあるチンゲン菜

一小島さんの畑からはチンゲン菜とキュウリをご紹介いただきます。

小島さん「見てすぐにわかるくらい、このハウスには大量の籾殻を入れています。米を脱穀する際に出る籾殻は貝殻のような形をしているので、たくさんの空気を抱えこんで土がしまるのを防いでくれます。すると根が酸欠にならず健全に育ち、なおかつ水はけもよくなる。健康な野菜を作るにはなによりも根っこがのびのびと伸びていける環境づくりがたいせつです。籾殻は有機物ですので微生物の働きも活発になり、おかげで農薬の量も慣行基準の半分くらいで済んでいます」

一スーパーでよく見るチンゲン菜より葉脈がくっきりとしているように見えますが、それは品種によるものですか?それは品種によるものですか?

小島さん「うちでは3種類育てていて、これは『冬大将』という寒さに強い品種です。肉厚で葉色が濃く、葉脈がはっきりしているタイプです。チンゲン菜のような葉物は短時間でひゅっと伸びたものよりも、ゆっくり生育する方が肉厚になって味も濃くなります。気温が高い時期でもゆっくり育つ『夏賞味』という品種と、葉色が濃く鮮やかな『艶帝(えんてい)』、この3種類をそれぞれ適した時期に作付けをして、10月から4月いっぱいまで収穫します。

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パリッとした歯ごたえと
キュウリらしい味をたいせつに

一続いてキュウリのハウスです。小島さんのキュウリは表面にブルームと呼ばれるうっすらと白い粉がついたタイプ。昭和以前はこのブルームタイプが主流でしたが、農薬がかかっているのではないかと誤解する消費者が増え、今では表面がピカピカ緑色のブルームレスが主流になっています。なぜ小島さんはブルーム有りを作っているのでしょう。

小島さん「私はこちらの方が食べてはおいしいと思うんですよね。それでわざわざブルームの台木を使って作っています。特徴は食感と青臭さ。それが嫌だという方ももちろんいるのですが、あえてキュウリらしいキュウリを作りたくてこのタイプを作っています。このキュウリは半分に折るとパキンッと折れる。その肉質がパリッとした歯ごたえになるので、漬物屋さんに多く使っていただいています。サラダやお漬物はもちろんですが、まずはそのまま味噌やマヨネーズをつけて、食感を味わってみてください。また最近お蕎麦屋さんに声をかけていただいて、お取り引きが始まったところです。おろしキュウリをのせた蕎麦を出したいけれど、今まで仕入れていたキュウリは店についた時にすでにしなっておろしにくいとのことで、今はうちのキュウリを使っていただいています」

キュウリをおろしてつかうというのはちょっと新鮮。味がからみやすくなるので減塩対策にもいいですね。ご家庭でも荒おろしキュウリのソースやドレッシングなど、ぜひお試しください!

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新しい農業技術に取り組み
成果を出すよろこび

小島さんは蔓おろし栽培という方法でキュウリを作っています。キュウリをハウスで栽培する場合、カーテンをかけて湿度保持をするのが一般的ですが、小島さんのハウスはカーテンをかけません。農業の先進国オランダ式を取り入れて、真冬でも汗をかくほど気温湿度ともに高く設定し、とにかく光合成を促進させることに重点を置いています。

小島さん「農業界もやり方が変わってきて、うちのキュウリ作りは4年ほど前からオランダの栽培技術を取り入れています。考え方がとても合理的で、今まで自分は何をやってきたんだろうと思うくらい収量が伸びて驚いています」

また、この地域は九十九里平野で土質は砂に近いため、葉物を生産している農家は少ない土地柄。小島さんは物理性に基づいた土壌設計を行い、地域でただ一人チンゲン菜を生産しています。

小島さん「チンゲン菜は料理の万能選手。クセのない味がどなたにも食べやすく、加熱してもカサが減らずシャキシャキとした歯ごたえがあって、和洋中どんな料理にも使えます。ハウス栽培なので天候にそれほど左右されず、冬場の青菜が不足する時期にも価格が安定している点も喜ばれています」

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profile

小島さん

栽培品目:チンゲン菜、キュウリ

農業大学を卒業後、家でしいたけ栽培を1年。その後あらためて埼玉の農業研修センターで1年半研修をしたのちにキュウリ栽培を開始。チンゲン菜を始めるにあたっては茨城の農家に学ぶなど、常に新しい農法、技術にチャレンジ。それでも机上の学びより実践から得る方がずっと多い。だから農業は面白い。