A 農園 / 荒井 光夫さん

冷たくやわらかな水と
安心安全な自家製農薬で
子どもたちも大好きなえぐみのない小松菜 原 富三さん

ミミズだって、モグラだって、
原さんの畑が大好き

「ちょっとした虫くいや大きさにはこだわらず、作ったものはすべて直売所などへ出荷しています。今日のは若干小さいなという日も、気にせず出します。その分価格を抑えめにして、日々完売が目標。ロス率は今のところ1%です。小松菜の需要が最も高くなるのは冬で、味自体も寒い時期の方が甘みがのります。でもうちは年中通して、食べてえぐみのないおいしい小松菜やと思って、自信をもって出しています」

お話しをうかがった日は気温35℃の猛暑日。ハウスの中は43℃にもなっていましたが、小松菜はへたりもせず元気に育っています。何か特別なものでも与えているのでしょうか。

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虫くい対策は予防に重点
バリエーション豊富なオリジナル忌避剤

──確かに葉っぱが少し大きい小さいなど、料理してしまえば関係ありませんね。不揃いであることが当たり前と思う方が自然な気がします。でもあまり虫くいのひどい場合は抵抗のある消費者も多いのでは?防虫対策はどのようにされているのですか?

「なるべく虫に食べられないよう、予防策に重点を置いています。そのおかげで、通常は1作で5〜6回殺虫剤を使うところ、2回くらいですんでいます。虫が嫌がるもの、それを忌避剤というのですが、いろんなものを作っては試し、どんどん種類が増えてきました。たとえば木酢液やハーブを8種類くらいブレンドしたオイル。牛乳と米のとぎ汁を発酵させたものはアブラムシよけになりますし、ナメクジよけにはインスタントコーヒーが効きます。あとはニームという植物の種子から取れるニームオイルや、焼酎に唐辛子を漬け込んだのも害虫駆除に効きますよ。僕お酒一滴もだめなんやけど、焼酎をいつも箱買いするので、よほど酒飲みやと思われていると思います」

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子どもが喜んで食べる小松菜を目指し

──えぐみがない分虫もつきやすいからと、原さんはほぼ毎日、畑の状態に合わせた自家製の忌避剤を散布しているそうです。なぜこれほどまでに手間のかかる方法を続けているのでしょうか。

「昔は化成肥料を使っていたのですが、当時息子がおいしくないと言って食べなかったんですね。それで作り方を変えてみようと、まずは農薬をいっさい止めてみたら虫くいだらけで、今度は卸先に納品を断られました。どうやったら虫の害を減らしながら、えぐみのない小松菜ができるかと思って、さまざまに工夫したのが始まりですね。だって身内が食べないようなものを、世間の人が食べてくれることないしね。以前、いつもスムージーに使ってくれるお客さまが、うちのが無くて別のを買ったら飲めなかったと言うてくれました。そない言うてもらえばね、作り方に間違い無かったんかなぁと思います。息子?息子も今は食べてくれますよ(笑) 去年1歳の甥っ子預かった時には、生の小松菜を両手でつかんで頬張るように食べてくれてね、それはね、嬉しかったですよ」

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profile

原 富三

栽培品目:小松菜
出荷可能期間:通年

小松菜専門のハウス栽培に転向して7年。26区画の畑に時期をずらして種をまき、2日で1面を収穫していくサイクルで、1年間出荷を切らさない。特筆すべきは病害虫を防ぐための自家製の忌避剤。根気のいる作業をいとわず毎日続けている理由は子どもたちに喜んで食べてもらうため。