得津農園

西日本では唯一の氷点下貯蔵で
フレッシュなニンニクを1年365日
得津農園

料理を引き立てる香味野菜
その鮮やかな香りと辛味

─得津農園さんのニンニクの特徴を教えてください。

「ご家庭で新鮮なうちに使い切ることを想定して、うちではM玉をメインにしています。特徴として香りと辛味がきつめですので、丸焼きなどで召し上がっていただくより、香味野菜として調理に向いているニンニクです。この特性を気に入ってくださるレストランさんも多く、年間3.5tほどの契約栽培をお引き受けしているところもあります」

─そもそも、なぜニンニクを作ろうと思われたのですか?

「学生の頃から、製造から販売まですべてを自社で行う製造業の会社を作りたいと思っていました。あるとき物を作るという点では農業も製造業ではないかと思い当たり、あえて農閑期を作るために貯蔵可能な作物に限定しようと考えました。ニンニクは植え付けから収穫まで約3ヶ月。毎日畑にいるのはその期間だけで、それ以外の季節は営業を兼ねて、人様とのお付き合いをたいせつにしています。配送がてらお取引先のレストランさんを回りながら活用法の情報を得たり、新しい出会いにつながったり。そうしたお付き合いから生まれた方々と協同で、次の事業展開に向けて動き出しているところです」

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この土地に長年なじんだ品種を
受け継ぎ、次代につなぐ

ーニンニクはどのような品種を作られているのですか?

「実は品種名がよくわからないんです。ニンニク栽培を始めるにあたり、各地の農家さんから分けていただいたり、海外から仕入れたり、10種類以上を取り寄せて試験栽培してみました。結局はこの地元で、かれこれ30年もおじいさんが作り続けてきたものが一番良くて、元は何ですか?とお聞きしたのですが、名前はもう忘れられていました。私もこの種は今後だいじに継いでいこうと思っています。正確に言うとニンニクは種ではなく茎が分離して増えていくものなので、いわばクローン的な増え方をします。こうした作物は変異しやすく、連作障害が出やすいので、それらを防ぐために時々遠隔地に送り、全く異なる土壌で育てたものを引き取ったり、また、できるだけ自然の力で緩和できるような土作りにも努めています」

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徹底した温度管理で周年供給
西日本では唯一の存在

──新鮮なニンニクを1年中切らさずに供給するにはどのような工夫があるのですか?

「うちのニンニクの収穫期はゴールデンウィーク明けから梅雨入り前までの1ヶ月ほどしかありません。各地、旬の時期にはスーパーなどでも新物が並んでいるかと思いますが、それ以外の季節のほとんどは、ニンニク専用の低温貯蔵施設を持っている青森県産が全国に出回っています。関西にはニンニク専用の冷蔵施設がないので、うちで収穫したニンニクは一度すべて大阪に運び、ニンニクに適した貯蔵管理ができる特別な冷蔵庫に預けています。そこから月に2回くらいトラックで運んできては農場の冷蔵庫に移し、順次出荷していきます。ニンニクは温度の振れ幅にとても敏感で、少しでも中の芽が動いたり、根が出たりすれば商品になりません。マイナス2度から2.5度の間で保冷するのが理想ですが、普通の業務用冷蔵庫では氷点下の温度調整が難しく、例えばうちの冷蔵庫での保存はひと月が限界です。適正な温度管理で鮮度を保ち周年供給しているのは、私の知る限りでは特産地の青森県の生産者とここだけだと認識しています。また、氷点下貯蔵ができるのはニンニクの糖度のおかげですので、糖度を高めることには常に気をつかっています」

思った以上にデリケートなニンニク。みずみずしさや鮮やかな香りを楽しむには、鮮度の高いニンニクをこまめにお求めいただくのが一番ですね。

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profile

得津農園

栽培品目:ニンニク
出荷可能期間:通年

大阪府出身。都内企業にて総合職を経たのち、和歌山に新規就農して8年目。農業を製造業ととらえ、独自の視点で事業計画を立てた結果、あえて農閑期を確保する業務体系を得るために、貯蔵可能な農作物だけに特化した農業を行っている。主要生産物はニンニク。現在ニンニクを原材料とする加工品を開発中。