オカファーム / 夏見 圭子さん

栽培から加工まで
南高梅の特徴を最大限に引き出した
梅干しの佳品 オカファーム / 夏見 圭子さん

古き良き素朴な梅干しから
フルーティな新感覚梅干しまで

紀州といえば南高梅。大粒の割に種が小さく、果肉が厚くてやわらかいのが特徴です。そうした梅本来の質の高さを最大限に引き出していると、地元の方からも支持を得ているのがオカファームの梅干しです。まずは長く親しまれている「夏見さんちの完熟梅」と、新商品の「いちご梅」を紹介していただきましょう。

「完熟梅には3種類ありまして、100%国産のはちみつを使い、うす塩に仕上げた“うす塩味梅”と、紀州田辺産の赤しそを使用した昔ながらの“しそ漬梅”。あとは削りカツオの風味が生きた“かつお梅”です。どれも合成保存料や着色料、化学調味料は一切使用していません。そして小さいお子さんや外国の方にもぜひスイーツ感覚で召し上がっていただきたいと、新たに開発したのが“いちご梅”。こちらは地元産のいちごで作ったシロップに梅干しを漬けこんだもので、甘酸っぱい味とフルーティな香りがご好評いただいています」

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年間を通じて梅仕事
ぽちゃっとやわらかい梅干しに

──栽培から加工まで一貫してとなると、一年中梅仕事ですね。流れを教えていただけますか?

「うちでは自然落下した梅の実だけを使いますので、6月半ばからの約20日間は、どんなに大雨でも、雷が鳴っても、毎日が梅拾いです。その日に落ちた梅は必ずその日のうちに拾わないと品質に関わりますので。収穫した梅はサイズ分けをしてから1ヶ月塩漬けにして、充分に梅酢に漬かったら天日に干します。この干し終わった状態を白干しと言います。できたての白干しは種のぐるりがまだ青くて塩の角がとれていませんので、最低でも11月半ばまでは寝かせてから、必要に応じて加工梅の原材料として使っていきます。その時々に仕込む分だけ塩抜きをして塩分濃度を整え、あらためて調味液に20日間ほど漬けて、やっと商品ができあがります。10月から冬の間は、畑の手入れ、梅の木の剪定を行います。切るべき枝を見極めて枝の根元から切るのですが、翌年の春にはまた同じところから伸びてきて実を付けてくれます」

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感覚を研ぎ澄まし
いい塩梅を極める

──おいしい梅干しを作るために最も神経を使うのはどんなことですか?

「どの作業も本当に気を抜けませんが、特に天日に干す作業はとても神経を使います。手作業で返しながら乾燥の具合をみるのですが、ちょうど良い頃合いを計るのにとても慎重になります。表面の細かいシワのようすや手で触ってみた感覚で判断するのですが、梅の実の大きさや置き場所によっても違いますし、あと1時間かな?2時間かな?という感じで、すべての梅を繊細に見定めていくのです。こればかりは何年やっていても本当に難しいです。南高梅は果皮が薄いので破れやすく、気温や湿気によって並べているザラにはりついたり、干しが甘いとタル詰めで潰れたりしてしまいます。そうなると商品価値が半分になってしまうんですね。でも、お宅の梅は非常に肉質が良いとほめていただいたり、お客様にやっぱりここの梅じゃないと、というように声をかけていただいたりすると、もっと喜ばれるものをつくらなくてはと思いますね」

塩分約20%の白干し梅を約7%まで減塩し、化学調味料などを一切使用せずに仕上げる“完熟梅シリーズ”は、どれも後味すっきり。オカファームならではの製法で作られた、梅好きにはたまらない上質な梅干しです。お口のなかにいちごの風味がふわりと広がるいちご梅も、ぜひ一度お試しください。

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profile

オカファーム

栽培品目:梅干し
出荷可能期間:通年

この地域はかつて夏ミカンの産地であったが、45年ほど前のグレープフルーツの輸入により打撃を受け、生産者の多くが南高梅の生産に切り替えた。オカファームも当初より南高梅を専門に生産し、加工までを行うようになった。優良な実を使い保存料・着色料を一切使わない梅干しの美味しさは格別と、地元の人からの評価も高い。